応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての実力を証明できる国家資格です。
「試験範囲が広くて、独学で合格なんて無理では…?」
そう感じている方も多いかもしれません。
私自身、大学では数学を専攻しており、ITに関する知識はほとんどゼロでした。それでも、基本情報技術者試験に続き、SE2年目に応用情報技術者試験にも独学4ヶ月で一発合格することができました。
本記事では、以下の内容を私の実体験をもとに丁寧に解説していきます。
- 独学の勉強ステップとスケジュール
- 午後試験の選択方法
- おすすめの参考書・教材
- 参考書や教材の活用法
「数学・理論は得意だけどITの実務経験はない」という方でも、この記事を読めば効率的な勉強方法がわかるはずです。
なお、基本情報技術者をまだ取得していない人は、まずは基本情報技術者試験の勉強をすることを推奨します。以下の記事で基本情報技術者試験の勉強方法を紹介しているので、参考にしてみてください。
試験概要
まずは、試験概要を確認しましょう。範囲は基本情報技術者試験と同じですが、問われる内容が深くなり、午後試験では記述もあります。基本情報技術者に合格した人は、なるべく早めに勉強を始めることで、効率良く進めることができます。
- 午前試験
- 試験時間:150分
- 問題数:80問(選択式)
- 合格点:60点(満点:100点)
- 午後試験
- 試験時間:150分
- 問題数:11問中5問を選択(記述式)
- 合格点:60点(満点:100点)
記載の内容は更新される可能性があるため、最新の情報はIPAのホームページをご覧ください。
勉強方法
1. 基本的な知識をインプット
まずは基本的な知識をインプットしましょう。基本情報技術者試験に合格した人は、範囲がほとんど変わらないため、ざっと復習する気持ちで時間をかけずに進めていきましょう。今後の復習にも使用できるよう、いつでも見返すことができる参考書を1冊購入することを推奨します。
私が使用したのは「ニュースペックテキスト 応用情報技術者」です。まずは午前試験だけでいいので、一通り読んで全体像を把握しましょう。付属の確認問題も一度解いておきましょう。ここでは完璧にする必要はありません。あまり時間をかけすぎないように!
2. 午前試験の問題を解く
インプットが終わったら、とりあえず問題を解いてみましょう。「ニュースペックテキスト 応用情報技術者」の確認問題や、「過去問道場」がおすすめです。
「過去問道場」は、過去に出題された問題を無料で解くことができます。分野ごと、模擬試験形式など様々な活用方法がありますが、おすすめの活用方法はこちらです。
- まずは模擬試験形式で1本やってみる
- 不安な分野を指定して重点的に解く
- ユーザ登録すると使えるチェック機能を活用し、定着させたい問題にチェックをつけて復習できるようにしておく
- スキマ時間にランダムに解く
全くできなくでも大丈夫です!私も最初の模擬試験では半分も取れませんでした。参考書を見ながら復習し、1つ1つ理解を深めていきましょう。
3. 午後試験の対策
応用情報技術者試験の午後試験は記述式です。記号で解く問題に加えて、ちょっとした記述や単語での解答を求められる問題もあります。基本情報技術者試験とは大きく異なるため、しっかりとした対策が必要です。試験1,2ヶ月前から対策を始めた方が良いと思います。午前試験の対策が終わっていなくても、午後試験の対策は並行して進めていきましょう。
午後試験にはこちらの11問が用意されており、その中から5問を選択して解答していきます。なお、「情報セキュリティ」は必須解答なので、実質的には10問から4問を選択することになります。
引用:情報技術者試験「試験要綱Ver5.4」
- 経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティングの技法
- システムアーキテクチャ
- サービスマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- ネットワーク
- データベース
- 組み込みシステム開発
- 情報システム開発
- プログラミング
- 情報セキュリティ
- システム監査
記載の内容は更新される可能性があるため、最新の情報はIPAのホームページ(試験要綱)をご覧ください。
「ニュースペックテキスト 応用情報技術者」には午後試験の解説と1回分の過去問があるので、まずはざっと目を通してみましょう。
その後はひたすら問題を解きましょう。「過去問道場(午後)」では、過去に出題された問題を無料で解くことができます。また、午後試験に特化した問題集などもあるので、必要に応じて利用してください。
午後試験でどの問題を選択するかは、人によって大きく異なります。仕事でネットワークの知識を使っていればネットワークは絶対に選ぶ、など自分の適性によって絞っていきましょう。選び方のポイントはこちらです。
- 5,6分野の対策を行う
- 得意な分野があれば必ず選択するようにし、得点源にする
- 苦手な分野は最初から選択肢に入れなくてもよい
分野や適性によっては、対策に時間のかかるものもあると思います。試験までの期間を逆算しながら、1つずつできる分野の対策を進めていきましょう。
「得意な分野なんてないし、何を選んでいいのか分からない、、」という人もいると思うので、私が試験にて選択した分野を紹介します。
- プログラミング
- 組み込みシステム開発
- サービスマネジメント
- システム監査
私は午前試験の対策を時間をかけすぎて、午後試験の対策をする時間が2週間しかありませんでした。そのため、対策に時間のかからなさそうな上の4分野に絞って勉強しました。
まず、私は数学系出身なのと、仕事でプログラミングをしていたためプログラミングは選択しました。組み込みシステム開発は前提知識が不要で、とっつきやすいと考え、選択しました。また、サービスマネジメント・システム監査は読解中心のため、勉強時間が少なくてもある程度の点が取れると考え選択しました。
結果的には合格しましたが、午後試験は66点と合格ギリギリだったので、皆さんは早めに対策を始めるようにしましょう!
おすすめ参考書・教材とその活用法
参考書:「ニュースペックテキスト 応用情報技術者」
基本情報に引き続き、ニュースペックテキストを購入しました。図解が豊富で読みやすく、章末の確認問題も充実。知識ゼロでも理解が進むよう丁寧に構成されているので、最初の一冊にぴったりです。毎年発行されているので、最新版を購入するようにしましょう。
この参考書のおすすめポイントはこちらです。
- 出題範囲を全て網羅している
- 表や図が多く用いられており、初心者でも理解しやすい
- 各章に確認問題があり、復習しやすい
私が実践した活用方法はこちらです。
- まずは午前試験の内容を一通り読んでみる(ちゃんと理解できなくてもOK!)
- 章末の確認問題を1度解く
- 間違えた問題を確認し、定着するまで解き続ける
- 午後試験の内容を読み、対策する分野の問題を解く
- 試験前の仕上げに、末尾の過去問を解く
アプリ:過去問道場
過去問道場では、過去に出題された問題を無料で解くことができます。分野ごと・模擬試験形式など様々な活用方法があります。私が実践していた活用方法はこちらです。
- まずは模擬試験形式で1本やってみる
- 不安な分野を指定して重点的に解く
- ユーザ登録すると使えるチェック機能を活用し、定着させたい問題にチェックをつけて復習できるようにしておく
- スキマ時間にランダムに解く
勉強スケジュール(4ヶ月)
私がおすすめする、4ヶ月で合格するためのスケジュールを紹介します。
期間 | やること |
---|---|
1ヶ月目 | インプット+午前試験を解き始める |
2ヶ月目 | 午前試験定着 |
3ヶ月目 | 午後試験を解き始める |
4ヶ月目 | 午後試験定着、総復習 |
私は平日は1時間、休日は2~3時間勉強し、一発で合格できました。
しかし、私の場合は午前試験に時間をかけすぎて、午後試験の対策をやる時間が2週間しかありませんでした。結果的には合格できましたが、午後試験は66点と合格ギリギリだったので、やはり午後試験の勉強期間は2ヶ月程度あると安心だと思いました。
まとめ
この記事では、独学でできる応用情報技術者試験の勉強方法を紹介しました。
応用情報技術者試験は、午前と午後合わせて300分の長丁場となります。前日はしっかり寝て、昼休みはしっかり休んで、万全の状態で試験に取り組んでいただければと思います。ITエンジニアとして活躍したい人にとって有益な資格なので、この記事を参考にしていただき、合格に向け頑張っていきましょう!
この記事を読んで、「応用情報はまだ難しそう、、」と思った人は、基本情報技術者試験の勉強法も別の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。